放射能について、少しくらいの被曝ならかえって健康にいいと言う人がいるけど、本当ですか?

2023/11/17更新

この説は「放射線ホルミシス説」と呼ばれ、一部で熱心に主張されていますが、ICRP(国際放射線防護委員会)でも認められていません。

「放射線ホルミシス説」は、低線量の放射線を当てた細胞でDNA修復酵素や活性酸素処理酵素の活性が高まること、放射線をまったく遮断した環境と低線量の放射線のある環境での実験で、低線量の放射線があった方が微生物の増殖が盛んだった、動物が長生きした、というような結果に基づいて主張されています。

しかし、修復酵素の増加や微生物の増殖は有害作用に対する防御反応と解釈できます。放射線がまったくない環境との比較で動物が長生きしたということは、自然放射線への生物の適応の結果と解釈できますが、私たちは自然放射線を浴びているのですから、その上に浴びてよいというようには考えられません。
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